編集者の具体的な仕事内容
編集者の仕事内容はさまざまありますが、編集者として大事な仕事である企画を立てる・撮影の手配・指示の具体的な仕事内容をご紹介していきます。
企画を立てる
雑誌を作るにあたっていくつかのテーマに沿ってページを作り上げていきます。企画を立てて雑誌が発売されるまでには3~5か月程度かかります。
まず、企画を立てるにあたって読者がどのようなことに関心があるかをマーケティングする必要があります。たとえば、最新のファッションを知るためにファッションショーやブランドの展示会に行ったり、流行っているグルメや物など常にアンテナを張り巡らしています。
集めた情報を元に企画書を作成し、企画会議などで検討され、雑誌のイメージや予算など様々な条件に合うかを検討して意見を出し合います。最終的に企画をするかどうかは雑誌の編集長に委ねられます。
出版したい本の発行日や著者、価格の設定、装丁まで考え、企画書を用意して、編集会議でプレゼンテーションを行います。自分の企画が通った場合は著者に原稿依頼し、企画の内容を説明してコンセプトを理解してもらい著者の了解を得る事が大切です。
コンテをかく
企画を立てたら、実際にどのようなイメージのデザインにするかなどスケッチ程度の『コンテ』をかきます。コンテは、雑誌作りの骨ともなるものですのでとても重要な作業といえます。
コンテをかきながらページのデザイン、レイアウトなど様々なものを考慮しながら仕上げていきます。
撮影の手配と指示
コンテを元にページのデザイン、レイアウトなどが決定したらページを完成させるための必要なものやスタッフの手配を行います。
イメージに合った紙面作りや装丁をブックデザイナーと一緒に考え、内容に合った作風のイラストレーターや写真家に作品を依頼したりモデルの手配をします。原稿の内容に合ったイラストや写真は売り上げを左右するので、これも重要な仕事だと言えます。
著者と一緒に本のタイトルや見出しを考えたりするのも神経を使いますが、タイトルの良し悪しで本の良さが伝わるかどうかが決まるので、欠かせない作業です。
スタッフを手配する
写真を撮影するカメラマン、衣装やアクセサリーなどを担当するスタイリスト、髪やメイクなどを担当するヘアメイクアップアーティスト、原稿などを作成するライターなどに連絡をとり、企画内容やテーマなどを説明し撮影の日程を調整していきます。
必要であれば個別に細かい打ち合わせを行い決定していきます。
また、撮影の際にはスタジオの手配、移動用のバスの手配、食事が必要なのであれば弁当の手配など雑誌編集者の仕事は多岐にわたります。
撮影の指示をする
コーディネートのチェック
撮影を行う前日などに、スタイリストが用意してきた衣装をチェックします。企画のテーマやイメージに合っているかなど細かい部分まで確認を行います。コーディネートの確認ができたらデジカメなどで撮影をしておきます。
当日は、手配したスタジオ、バスなどに撮影に使用する衣装などを準備して、撮影した写真をもとにスタイリストやヘアメイク、モデルなどに準備の指示を行っていきます。モデルが着替えたらヘアメイクをしてテスト撮影を行っていきます。
写真を確認しながらイメージにあった構図やポーズなどを支持しながらモデルとカメラマンなどと協力をしながら雑誌で使用する写真を作り上げていきます。
写真の選択とレイアウト
原稿が出来上がったら読者の立場に立って目を通し、必要に応じて修正をしたり作品を仕上げていきます。DTPデザイナーに依頼して原稿と写真、イラストのレイアウトをした後はゲラ(印刷前の原稿)のチェック。読者に作品の意図が伝わりやすくなるようにしたり、イラストや写真のチェックをして必要があれば修正依頼や入れ替えの作業を行います。
表紙や帯については再度ブックデザイナーと打ち合わせをして、印刷データを完成させます、この時に綿密なチェックをしておくと完成度は高くなります。
写真の選択と原寸ラフ
写真の撮影が終わったらページに掲載する写真を選んでいきます。何十枚、何百枚とある写真の中から編集者のイメージにあった写真を選択していきます。
写真が決定したら、雑誌と同様の大きさの紙にコンテよりもさらに具体的なページを構成していきます。これを『原寸ラフ』といいます。
この原寸ラフは、雑誌の完成した設計図的な役割があり、写真やタイトル文章の配置などまさに雑誌に載せるものをここで決定してきます。同時に文字数が決まるのでライターに原稿を作成してもらいます。
レイアウト
すべての材料がそろったらデザイナーにレイアウトの依頼を.します。
ライターから作成した原稿が送られてきたら、原稿を読み直し内容を確認して修正を行っていきます。確認がおわったら原稿や写真に通し番号というものを割り振り、それらをデザイナーに渡して、より良いレイアウトを作成してもらいます。
デザイナーによってレイアウトされたものを確認して修正があれば再度依頼をしないします。
入稿
印刷データを印刷会社に入稿して試し刷りをしてもらい、印刷時の仕上がりの状態を再度チェックして印刷の可否を判断し、OKの場合はそのまま印刷してもらい、本が完成します。
デザイナーによってレイアウトされたものを確認してレイアウトができあがればデータを印刷所に送り入稿します。
最終の確認
入稿したデータをもとにまず確認用の『校正紙』が送られてくるので、色のチェックする『色校正』という作業をしていきます。これは大事な作業になり、パソコンで送ったデータと実際に紙に印刷されてきたものとでは多少の色違いが起こってくるのでしっかりと確認が必要になります。
この時に、文字なども最終確認をして修正があれば印刷所に指示をしていきます。編集長や各編集者の確認がおわりすべてのページが出来上がったら印刷会社に雑誌の印刷を依頼して完成されていきます。