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キャリアコンサルタントは、働く人の仕事選びやキャリアの悩みに専門家として相談に乗る国家資格です。資格を取ると「キャリアコンサルタント」と名乗って仕事ができるようになります(名称独占資格)。
受験するには、多くの人が厚生労働大臣が認定した養成講習(150時間)を修了してから国家試験を受けます。この記事では、資格を取るまでの流れ、試験の合格率、養成講習の選び方と費用を、厚生労働省の公表データをもとに整理します。
キャリアコンサルタントになるまでの流れ
- 受験資格を満たす:多くの人は養成講習(150時間以上)を修了して受験資格を得ます
- 国家試験に合格する:学科試験と実技試験(論述・面接)の両方に合格します
- 名簿に登録する:キャリアコンサルタント名簿に登録すると、「キャリアコンサルタント」と名乗れます
- 5年ごとに更新する:更新講習(知識8時間以上・技能30時間以上、合計38時間以上)を受けて登録を更新します
養成講習から受け始めた場合、講習に3〜6か月ほど、試験から合格発表までに2か月ほどかかるので、半年〜1年が資格を取るまでの目安です。
受験資格は3つ
| 受験資格 | 内容 |
|---|---|
| 養成講習の修了 | 厚生労働大臣が認定する養成講習(150時間以上)を修了する。未経験の人はこのルート |
| 実務経験 | 働く人の職業選択やキャリア形成についての相談業務を3年以上経験している |
| 技能検定の合格 | 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験か実技試験に合格している |
第32回試験(2026年7月)の学科試験の受験者は3,804人で、そのうち3,425人(約9割)が養成講習を修了した人でした。人事やハローワークなどで相談の実務経験がある人以外は、養成講習から始めるのが一般的です。
キャリアコンサルタント試験の内容と合格率
試験の内容
| 学科試験 | 実技試験 | |
|---|---|---|
| 形式 | 4択のマークシート、50問・100分 | 論述(事例記録を読んで記述、50分)と面接(ロールプレイ15分+口頭試問5分) |
| 合格基準 | 100点満点中70点以上 | 150点満点中90点以上(論述・面接の各評価区分にも基準あり) |
| 受験料 | 8,900円 | 29,900円 |
学科と実技は別々に受けることもでき、片方だけ合格した場合は、次の回以降にもう片方だけを受けられます。試験は、キャリアコンサルティング協議会と日本キャリア開発協会の2つの機関が実施しています(学科試験は共通問題)。
合格率の推移
| 回 | 実施 | 学科 | 実技 | 学科・実技の同時受験 |
|---|---|---|---|---|
| 第30回 | 2025年11月 | 77.6% | 64.1% | 58.0% |
| 第31回 | 2026年3月 | 80.6% | 64.6% | 59.8% |
| 第32回 | 2026年7月 | 54.8% | 61.7% | 45.8% |
数字は厚生労働省が公表している「キャリアコンサルタント試験結果の概要」(2つの試験機関の合計)です。学科は回によって大きく変わり、第32回は54.8%と低めでした。実技は60%台で安定しています。同時受験で一度に合格できるのは、およそ2人に1人です。
受験者の平均年齢は45〜46歳で、40代・50代の受験者が最も多くなっています。社会人になってから目指す人が多い資格です。
今後の試験日程
| 回 | 学科・論述 |
|---|---|
| 第34回 | 2027年3月7日(日) |
| 第35回 | 2027年7月4日(日) |
| 第36回 | 2027年10月31日(日) |
面接試験は、学科・論述の日とは別の日に行われます。申込期間は試験の2〜3か月前ごろで、2週間ほどしかないので、キャリアコンサルティング協議会などの公式サイトで確認しておきましょう。試験の申込には養成講習の修了(または修了見込み)が必要なので、受けたい回から逆算して講習を始めるのがポイントです。
養成講習の選び方
厚生労働大臣が認定している養成講習は、2026年時点で20講習以上あります(厚生労働省「キャリアコンサルタント養成講習一覧」)。受講料はおよそ20万〜44万円で、30万円前後の講習が多くなっています。
どの講習も150時間以上のカリキュラムは同じ基準で作られているので、次の点を比べて選びましょう。
- 受講の形:通学、Zoomなどのオンライン、組み合わせなど。働きながらなら、オンラインで受けられるか、夜間・土日の時間割があるかを確認します
- 期間:短期集中のコースか、数か月かけて受けるコースか。受けたい試験の申込に間に合うかを確認します
- 費用と給付金:受講料のほか、教育訓練給付金の対象になっているかを確認します
- 実技(面接)の練習量:合格率が低めなのは実技です。ロールプレイの練習をどれだけできるかも大切です
- 振替・補講:仕事や家庭の都合で休んだときに、別の日に振り替えられるか
教育訓練給付金で受講料を抑えられる
養成講習の多くは、雇用保険の専門実践教育訓練給付金の対象になっています。雇用保険の加入期間などの条件を満たすと、受講料の最大80%(年間の上限あり)が支給されます。受講を始める前に、ハローワークで手続きが必要です。自分が対象になるかは、ハローワークや講習実施機関に確認しましょう。
働きながらオンラインで受けるなら:地域連携プラットフォームの養成講習
一般社団法人地域連携プラットフォームのキャリアコンサルタント養成講習は、厚生労働省の養成講習一覧に載っている認定講習です。受講料は297,000円(入学金なし、テキスト代込み)で、認定講習の中では標準的な価格帯です。
- Zoomを使ったオンラインで受講でき、通学と組み合わせるコースもある
- 1回2時間から受けられ、平日・土日・夜間など時間割を選べる
- 短期で修了をめざすコースと、通常のコースがある
- 欠席したときの振替(Zoom講習は最大16時間まで無料)がある
- 専門実践教育訓練給付金の対象講座で、条件を満たすと受講料の最大80%が支給される
無料の講座説明会・質問受付会があるので、時間割や給付金が使えるかどうかを確認してから申し込めます。いきなり申し込むのが不安な人は、まず説明会で話を聞いてみるのがおすすめです。
※受講料や給付金の条件は変わることがあります。最新の情報は公式サイトで確認してください。
キャリアコンサルタントの仕事と活かし方
キャリアコンサルタントの登録者は2026年3月末時点で86,370人で、毎年増えています。主な活躍の場は次のとおりです。
- 企業:人事部での面談、社員のキャリア研修、セルフ・キャリアドック
- 需給調整機関:ハローワーク、人材紹介会社、転職エージェント
- 教育機関:大学のキャリアセンター、高校の進路指導
- 地域・福祉:自治体の就労支援、若者サポートステーション
- 独立・副業:個人向けのキャリア相談、研修講師
独立してすぐに大きく稼げる資格ではありませんが、人事や教育、相談の仕事をしている人が専門性を証明する資格として役立ちます。今の仕事と組み合わせて活かす人が多い資格です。
産業カウンセラーやメンタルヘルスの資格との違い
キャリアコンサルタントが「仕事やキャリアの相談」を扱うのに対して、産業カウンセラーは「働く人の心の悩み」、メンタルヘルス・マネジメント検定は「職場のメンタルヘルス対策の知識」を扱います。産業カウンセラーの資格を取ってから、キャリアコンサルタントを目指す人もいます。



まとめ
- キャリアコンサルタントは、仕事やキャリアの相談に乗る国家資格(名称独占)
- 多くの人は、厚生労働大臣が認定した養成講習(150時間以上)を修了して受験する
- 合格率は学科55〜80%、実技60%台。同時受験で一度に合格できるのは約半数
- 養成講習の受講料は約20万〜44万円。専門実践教育訓練給付金で最大80%が支給される場合がある
- 受けたい試験の申込時期から逆算して、講習の開始時期を決める